ご挨拶

この度、楠田 聡 前会長の後を継いで、研究会の会長を引き受けることとなりましたのでご挨拶をさせていただきます。

ご存じのとおり、日本の新生児医療は過去30年間に世界のトップレベルまで発展し、NICUで集中治療を要したハイリスク児の多くが生存退院し、年月を経て、年長者は成人となって来ています。この間、新生児医療は生命予後の改善だけではなく、長期的予後にも眼を向けるフォローアップの重要性が高まってきました。

ハイリスク児の退院後のフォローアップの目的は、第一に、児と家族のニードに対応した医療を継続し、成長発達を見守ること、第二に、新生児医療に評価として長期予後を明らかにすることです。長期予後には、成長、発達、身体的健康状態、社会適応などの包括的な評価が含まれます。更に、すでに成人となっている超長期予後にも注目する必要性が問われています。一方、児と家族のニードは多様であり、網羅的に評価し支援するには多種職の連携が不可欠であり、また、各施設で行われているフォローアップだけでは、日本全体の新生児医療のアウトカムとなる予後を知ることは困難です。

そのため、本研究会は、専門的知識を持った多職種の方々が、それぞれが持っている知識と経験を共有する場となり、ハイリスク児のフォローアップの普及と向上に寄与することを使命と考えます。ハイリスク児のフォローアップに関わるより多くの皆さんの参加により、フォローアップが充実し、児とご家族の長期的な支援となるとともに、新生児医療のさらなる改善につながることを願っております。

 

平成28年9月

ハイリスク児フォローアップ研究会

会長